割増賃金不払い!地検に書類送検
みやぎ仙南農業郷土組合と共謀関係にあった管理職3人を宮城・大河原労働基準監督署が、労働基準法32条(労働時間)、37条(割増賃金)違反の疑いで仙台地検に書類送検した。
こんな事件ニュースがまたまた発生したようです。この手の違反行為は労働関係法の分野の中でもたたけば出てくるという類のものです。
それにしても今回は悪質ですね。内容をご紹介しておきましょう。
この3人は共謀して36協定の締結・届出をせず、本部営農経済部の職員一人に対して、平成18年6月1日から29日までの期間で116時間の時間外労働をさせた模様。さらに、時間外労働の割増賃金を55時間分しか支払わず、超過分はカットしていたとのこと。
ところで、この事件なぜ発覚したのか、なんと労災認定によって発覚することになったのです。
平成18年6月30日、同職員が自宅で急性循環器不全により死亡し、平成19年2月に労災認定されたことが、捜査の端緒になったのです。まさに何が禍するかわからないとは、会社側の言い分でしょう。もとはと言えば、法令順守で遂行していれば、こんなことにはならなかったのですから・・・
この企業は、フレックスタイム制を導入していたのですが、コアタイム以外の時間も労働させ、その結果、労働組合からは従業員に聞き取り調査をするよう求めていたが、まったく協議に応じず、36協定の締結・届出もしてなかったというから驚きです。さすがに労働基準監督署も、経営者側の怠慢としています。
割増賃金については、月40時間を上限にして残業代の切り捨てをしていたのですが、これがまた悪質極まりない事実で発覚したのです。
所属長の中には、月80から100時間残業していた労働者に気を使い、月50時間で申請したりしていた。これだけでもひどい話ですが、その申請時間をさらに本部が月40時間に改ざんしていたというからあきれるばかりです。
企業もよくやるもんだという、健全な方々からの声が聞こえてきそうです。ここまで悪質でなくても、サービス残業はとても多く、事例に事欠きません。割増賃金額が大きいため、残業隠しをしたくなるのでしょう。けど、労働者の誰かが沈黙してはいませんね。直接賃金に関係する部分ですから。体も長時間労働が原因で疲労しているとなればなおさらです。ましてや今回のように長時間労働による過労で死亡者まで出たとなれば致命的です。
実務をこなしていると、経営者はよく言います。「割増賃金を払えなんて、大企業向けのルールだ。小企業はゆとりがない。うちのような業種には当てはまらない。労働基準法が中小企業の実態にあってないよ。」ーこのような発言がとても多い。いざ、残業代を支払ったかと思えば、従来、賃金の一部として構成されていた手当を残業代とかってにみなして支払ったことにしたりしている。
残業代の問題は、支払わなければならない立法上の根拠に対し、労務という経営要素が対立し、現実、経営資金という企業財務の根拠からは、継続支払いは困難であるとう、混ざらない2つのテーマが存在する。ここに難しさがあるのです。法律に準拠した話をすれば経営者が憤ることも感情的には理解できます。しかし、対人間の問題である民事の世界は、感情では裁けないのです。もし、感情で裁かれたりすれば、週40時間労働する者と80時間労働する者が時間に関係ない賃金ということになり、均衡を欠くことになりますし、公序良俗にも反すると言えるでしょう。
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